ヘッドホンアンプやオーディオ回路で高音質を目指すなら、出力段に使う ダイヤモンドバッファ の扱いが重要です。
オペアンプの出力を強化するための回路ですが、熱結合 と HFE(電流増幅率)の選別 を正しく行うことで、よりクリアで自然な音質が得られます。
ダイヤモンドバッファとは?
ダイヤモンドバッファは、NPNとPNPトランジスタを組み合わせたプッシュプル構成で、オペアンプの出力を増幅する回路です。
特徴:
- 低歪み・低出力インピーダンス
- ヘッドホンなどの低インピーダンス負荷に対応
- 小電流で効率よく大きな出力を得られる
音質をクリアに保つには熱結合が必須
- バイアス電流を安定化
トランジスタのV_BEは温度に敏感です。- 温度差があるとNPN/PNPでバイアスがズレ、クロスオーバー歪みが増える
- 熱的に結合すると両方のV_BEが同じ変化になり、バイアスが安定
- 熱暴走防止
片側だけが過熱すると電流が増え、さらに発熱→熱暴走のリスク- ヒートシンクや金属プレートでトランジスタを同温度に保つことで安全性向上
- 音質改善
温度変動によるバイアスズレが少なくなると、クロスオーバー歪みが減り、音の透明感や自然さが向上
HFE選別でさらに音質を高める
トランジスタごとにHFE(電流増幅率)は微妙に異なります。
プッシュプル段で正負トランジスタのHFEが揃わないとクロスオーバー歪みが増加。
- メリット
- NPNとPNPの出力バランスが整う
- クロスオーバー歪みが減り、音がクリアに
- 方法
- テスターや専用治具でHFEを測定
- 同レンジのNPN/PNPを組み合わせる
実践ポイント
- 熱結合
- NPN/PNPを共通ヒートシンクや金属プレートに取り付け
- シリコングリスや絶縁シートで電気的に絶縁しつつ熱伝導
- 基板配置
- 出力段トランジスタを近接配置で自然に熱結合
- 信号ラインや電源ラインから離してノイズ干渉を避ける
- HFE選別
- 正負トランジスタでHFEを揃える
- バイアス電流が安定し、クロスオーバー歪みが減少
まとめ
- ダイヤモンドバッファは 熱結合+HFE選別 で音質が大きく変わる
- 熱結合でクロスオーバー歪みを抑え、熱暴走も防止
- HFEを揃えることで正負出力のバランスが整い、クリアで自然な音質を実現
ヘッドホンアンプの設計では、この2つを押さえるだけで、より自然で透明感のある音を楽しめます。
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