ヘッドホンアンプ向けダイオード比較:SBD・標準整流・高速リカバリ

ヘッドホンアンプの電源では、整流ダイオードの種類が 音質・効率・リップル特性 に影響します。
ここでは代表的なダイオードを比較します。

1. 標準整流ダイオード(シリコンダイオード)

  • 特徴
    • シリコンを使った一般的な整流ダイオード
    • 順方向電圧降下:約0.7V
    • 大電流用途に適している
  • メリット
    • 高耐圧・大電流に強い
    • 安価で入手しやすい
  • デメリット
    • 順方向電圧降下が大きく、効率はやや低め
    • 電源リップルが残りやすく、音質に影響する場合あり

2. ショットキーバリアダイオード(SBD)

  • 特徴
    • 金属半導体接合により順方向電圧降下が低い(約0.2~0.4V)
    • 高速スイッチング特性
  • メリット
    • 電源効率が向上(発熱も少ない)
    • リップル低減に貢献
    • 高音質オーディオでは透明感や自然感の向上が期待できる
  • デメリット
    • 耐圧は標準シリコンより低め
    • 高電圧・大電流用途では注意が必要

3. 高速リカバリダイオード(FRD・Fast Recovery Diode)

  • 特徴
    • 逆回復時間が短く、スイッチング用途向き
    • 順方向電圧降下は0.7V前後
  • メリット
    • 高周波ノイズに強く、スイッチング回路で有効
    • 電源整流でも、ACラインの高周波成分除去に貢献
  • デメリット
    • 標準整流と同様、順方向電圧降下は大きめ
    • 音質面ではSBDに比べるとやや硬めの傾向

4. ダイオード比較まとめ

種類順方向電圧降下高速性音質特性用途
標準シリコン約0.7V安定だがやや鈍め大電流整流、汎用電源
ショットキー(SBD)約0.2~0.4V透明で自然高音質オーディオ電源、低損失整流
高速リカバリ(FRD)約0.7Vやや硬めスイッチング電源、AC高周波整流

まとめ

  • 音質重視・低損失電源:SBDが最適
  • 大電流・高耐圧用途:標準整流ダイオードが有利
  • スイッチング対応・高周波ノイズ対策:高速リカバリダイオードが有効
  • ヘッドホンアンプでは、整流ダイオードの選択で 透明感・自然感・リップル低減 に大きく影響

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