電解コンデンサ・固体高分子コンデンサは最大電圧付近でエージングするのがベスト

電源回路やオーディオ回路で使われる 電解コンデンサ固体高分子コンデンサ。性能を安定させるためには「エージング(慣らし)」が重要です。

エージングとは?

エージングとは、コンデンサに適切な電圧をかけて内部の誘電体を安定させ、特性を落ち着かせるプロセスです。新品の状態だと、コンデンサの容量やESR(等価直列抵抗)が少し不安定な場合があります。


最大電圧付近でエージングする理由

  • 誘電体の分極を安定化
    電解コンデンサや固体高分子コンデンサは、内部の誘電体が電圧をかけることで分極します。最大定格電圧付近でかけると、容量やESRが安定しやすい。
  • ESRが安定して音質・電源品質が向上
    オーディオ用途では、ESRが安定することでリップル除去能力が向上し、ノイズや音質のムラを防げます。
  • 初期トラブルの予防
    新品のコンデンサは、特に固体高分子タイプで内部の微小結晶構造が整っていないことがあります。最大電圧付近で慣らすことで、破損や劣化のリスクが減ります。

実践のポイント

  1. 最大定格の80〜100%程度の電圧をかける
    フルロードで長時間通電する必要はありませんが、十分に分極させるのが目的です。
  2. 温度管理
    高温でエージングすると寿命を縮める場合があるので、常温で行うか軽く発熱しても大丈夫な範囲で。
  3. 時間は数時間〜数十時間
    回路や容量によりますが、急にフル電圧をかけるより、徐々に通電して安定化させるのが安全です。

まとめ

  • 電解コンデンサ・固体高分子コンデンサは、新品時に容量やESRが安定していないことがある
  • 最大電圧付近でエージングするのがベスト
  • オーディオや電源回路で性能安定・長寿命化・ノイズ低減につながる

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