退職・転職・早期リタイアを考えているなら、税金と社会保険の知識が退職の2〜3ヶ月前から必要になります。筆者が個人事業主として各種手続きを経験した視点から、見落としやすいチェックポイントをまとめました。
退職前に確認すべき税金チェックリスト
①住民税の後払い問題
住民税は前年の所得に対して翌年に課税されます。在職中は給与から天引きされていますが、退職後は天引きがなくなり、まとめて請求が来ます。
6月退職の場合、その後に12ヶ月分の住民税が一括または分割で請求されます。退職前後に50〜100万円近い住民税請求が来て驚く人も少なくありません。退職前に金額を把握しておきましょう。
②健康保険の切り替え
退職後の健康保険は以下の3択です。
| 選択肢 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 任意継続 | 退職前の保険を最大2年間継続 | 収入が高かった人(上限あり) |
| 国民健康保険 | 市区町村の保険に加入 | 前年収入が低い・低収入見込みの人 |
| 家族の扶養に入る | 配偶者等の被扶養者になる | 収入が年130万円未満の見込み |
③国民年金への切り替え
退職翌日から国民年金第1号被保険者になります。退職後14日以内に市区町村窓口で切り替え手続きが必要です。収入がない場合は免除・猶予申請も可能です。
④退職所得と確定申告
退職金がある場合、退職前に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出すると税金が優遇されます。提出しないと20%の所得税が源泉徴収されます。
⑤ふるさと納税の上限に注意
退職した年は年収が下がるため、ふるさと納税の控除上限額も下がります。退職が決まったら早めにふるさと納税の残額を計算し、退職前に上限内で済ませておくのが得策です。
退職前2〜3ヶ月のアクション
- □ 翌年の住民税額を給与明細または源泉徴収票で試算する
- □ 健康保険の3択を比較して選択する
- □ 退職所得申告書を会社に提出する(退職金がある場合)
- □ ふるさと納税の年内上限を再計算して残りを消化する
- □ 確定申告が必要になることを把握しておく(退職年は必要なケースが多い)
まとめ
退職はタイミングを間違えると税金・保険料の支払いで想定外の出費が生じます。特に住民税の後払い問題は知らなかった人が最も驚くポイントです。退職2〜3ヶ月前から準備しておくことで、余裕をもったセカンドライフのスタートが切れます。
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退職する月によって住民税の負担が変わる
住民税の天引きは「1月〜5月」退職か「6月〜12月」退職かで扱いが異なります。
| 退職タイミング | 住民税の処理 |
|---|---|
| 1月〜5月に退職 | 退職月分と残り月分を退職時に一括徴収されることが多い |
| 6月〜12月に退職 | 翌年5月分まで普通徴収(自分で支払い)に切り替わる |
6月退職が最もキャッシュフローに影響しやすいタイミングです。なぜなら6月は新しい住民税の年度が始まり、前年の高収入に基づいた住民税が最大12ヶ月分、退職後に自分払いとなるからです。
iDeCo・企業型DCの扱い
退職後はiDeCoの掛け金拠出を継続できますが、企業型DC(確定拠出年金)は加入資格を失うため移換手続き(iDeCoへの移換)が必要です。手続きを忘れると「運用指図者」として管理手数料だけ発生する状態になってしまいます。退職後6ヶ月以内に手続きを行ってください。
よくある質問
Q. 失業給付を受けると扶養に入れない?
A. 失業給付の日額が3,612円以上になると、配偶者の社会保険上の被扶養者(年収130万円の壁)に入れません。基本手当日額が高い方は、受給中は国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。失業給付受給終了後に改めて扶養入りの申請をしてください。
Q. 退職した年は確定申告が必要?
A. ほとんどのケースで確定申告が必要または有利になります。在職中に天引きされた所得税は年末調整がされていないため、確定申告することで還付が受けられる可能性があります。特に退職した月が年の途中の場合は、ほぼ確実に申告した方が得です。
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