家電が壊れたとき、火災保険を使えることがあります|「破損・汚損」特約の範囲と、直すか買い替えるかの判断を電気屋が解説【2026年】

お得・株主優待

※本記事はプロモーションを含みます。

電気工事士として住宅を回っていると、「子どもが暴れてテレビを壊した」「模様替え中に洗濯機を落として動かなくなった」といった相談を受けることがあります。こうした「うっかり」「予期せぬ事故」による家電の故障は、実は火災保険の「破損・汚損」特約で直せる場合があります。

ただし、この特約は名前のとおり火災保険にセットで付けるオプションのため、加入していても存在を意識していない人が多いのが実情です。対象になる条件・ならない条件、請求の期限、そして電気屋の立場から見た「直すか、買い替えるか」の判断基準まで、順を追って整理します。

※保険の補償範囲・免責金額・請求方法は保険会社・契約内容によって異なります。実際の請求前には、必ずご自身の契約約款・保険証券をご確認ください。


結論ボックス

  • 「破損・汚損」特約は火災保険にセットで付けるオプションで、子どものいたずら・模様替え中の落下など「不測かつ突発的な事故」による家電の破損が対象になりうる
  • 楽天損保の集計では、マンション・アパートの契約者のうち約70.2%がこの特約を付けている。裏を返せば約3割はそもそも補償の対象外
  • 経年劣化・通常使用による故障・地震による転倒(地震保険の管轄)は対象外。契約によってはスマホ・ゲーム機なども対象外になることがある
  • 免責金額(自己負担額)が設定されていることが多く、契約によって0円〜数万円まで幅がある
  • 保険金の請求権は保険法により3年で時効。修理した後でも請求できる可能性はあるが、写真など証拠が残っているうちの早めの連絡が安全
  • まずやるべきことは、保険証券や保険会社のマイページで「この特約が付いているか」を確認すること

「破損・汚損」特約とは何か|火災保険の基本補償とは別枠

火災保険という名前から「火事のときしか使えない」と思われがちですが、実際の商品は火災・落雷・水漏れなど複数の基本補償の組み合わせに、任意のオプション(特約)を上乗せする形で構成されています。「破損・汚損損害等補償特約」はそのオプションのひとつで、基本補償の対象になる災害以外で発生した、不測かつ突発的な事故による損害を補償します。

楽天損保のデータによると、マンション・アパートの契約者のうち破損・汚損の補償を付けている割合は約70.2%とされています。多くの人が加入はしているものの、「わざわざ火災保険を使うほどのことではない」と考えて、対象になりそうな損害でも請求せずに自費で直しているケースは少なくないと考えられます。

家電で実際に対象になる例・ならない例

チューリッヒの解説ページなどで挙げられている一般的な事例をもとに、家電にしぼって整理すると次のようになります。

対象になりうる例 対象にならない例
子どもがおもちゃをぶつけてテレビ画面を割った 経年劣化による自然故障(色あせ・サビ・腐食など)
調理中に油や水をこぼして家電を汚損・故障させた 通常使用による電気機器の不具合・寿命
模様替え・引っ越し作業中に家電を落として破損させた 単なる外観上のキズ(機能に影響がないもの)
ペットが倒して家電を壊した(契約により対象) スマホ・ゲーム機・カメラなど「携行品」扱いで対象外のことがある
台風・落雷など基本補償が対象外とする細かな汚損 地震による家財の転倒・破損(地震保険の管轄)

ポイントは「経年劣化ではなく、突発的な事故かどうか」です。同じ「壊れた」でも、原因が寿命なのか、その場の事故なのかで補償の可否が変わります。

免責金額(自己負担額)に注意

破損・汚損特約には、多くの場合「免責金額」が設定されています。損害額が免責金額を下回ると保険金は支払われません。契約内容によって0円のものもあれば数万円に設定されているものもあるため、修理費用と免責金額を比べてから請求するかどうかを判断する必要があります。保険証券や契約のしおりに記載があるので、まずはそこを確認してください。

請求は「3年」以内|修理した後でも間に合うことがある

火災保険の保険金請求権は、保険法の規定により事故発生日の翌日から3年で時効となります。3年以内であれば、すでに自費で修理してしまった後でも請求できる可能性はありますが、時間が経つほど損害状況を証明する写真や証拠が集めにくくなり、請求のハードルは上がります。「壊れた直後に、壊れた家電の写真を撮っておく」だけでも、後から請求する際の備えになります。

電気屋が見る「直すか、買い替えるか」の判断

保険金が下りるとしても、修理して使い続けるべきか、この機会に買い替えるべきかは別の問題です。現場でよく見るポイントを整理すると次のとおりです。

  • 製造終了から年数が経っている機種は、部品切れで修理を断られることがある。メーカーは製造終了後も一定期間(機種により異なる)補修用性能部品を保有していますが、期間を過ぎると「修理不可・買い替え案内」になることが多いです。まず型番でメーカーの修理受付窓口に確認するのが早道です
  • 免責金額と修理費用のバランスを見る。免責金額が高めの契約で、修理費用がそれに近い・下回る場合は、保険を使わず自費で直した方が手続きの手間を考えても早いことがあります
  • もともと寿命が近かった家電なら、保険金を買い替え費用の一部に充てる方が合理的な場合もあります。家電ごとの寿命の目安や型落ちが安くなるタイミングは、以前まとめた記事も参考にしてください

火災保険を使うかどうかで悩んだときも、まずは「修理できるか」「修理費はいくらか」の見積もりを先に取っておくと、保険会社への請求判断がしやすくなります。

予防できる破損には備えておく|雷サージ対策

破損・汚損特約が対象にする事故の中には、落雷による瞬間的な過電圧(雷サージ)で家電が故障するケースも含まれます。これは保険で直せたとしても、そもそも壊れないに越したことはありません。テレビやパソコンなど精密な家電を使うコンセントには、雷サージ対応の電源タップを挟んでおくと、突発的な故障そのものを減らせます。

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請求の流れ|チェックリスト

  1. 保険証券・契約者マイページで「破損・汚損」特約が付いているか、免責金額はいくらかを確認する
  2. 壊れた家電の写真を撮る(全体・破損箇所・型番シールが分かるもの)。壊れた状況のメモも残しておく
  3. 保険会社・代理店に連絡する(多くはコールセンターかWebフォームから受付)
  4. 並行して、メーカーまたは家電量販店で修理見積もりを取る(修理可否・費用の目安が分かる)
  5. 保険会社の調査・確認を経て保険金額が確定する
  6. 修理または買い替えを実施し、保険金を受け取る

よくある質問(FAQ)

Q. 賃貸住まいでも使えますか?

賃貸向けの家財保険(火災保険)にも破損・汚損特約を付けられることが多いです。ご自身が加入している家財保険の契約内容を確認してください。なお、退去時の原状回復とは別の話で、こちらは自分の家電・家財が対象になります。

Q. 保険を使うと、次回の更新で保険料が上がりますか?

自動車保険のような等級制度が火災保険にはないため、請求した件数によって個人の保険料が直接上がる仕組みにはなっていません。ただし保険料自体は自然災害の増加などを理由に業界全体で改定されることがあるため、それとは切り分けて考える必要があります。

Q. 古い家電でも保険金は新品価格で出ますか?

最近の家財保険は「再調達価額(同等品を新たに買うのに必要な金額)」を基準にする契約が主流ですが、契約の種類によっては経年分を差し引いた「時価」で算定されることもあります。契約内容によって差が出る部分なので、事前に確認しておくと安心です。

Q. 対象になるかどうか自分で判断できません

迷ったときは、請求してよいか自己判断で諦めずに、まず保険会社・代理店に電話やチャットで状況を伝えてみるのが早道です。対象外だったとしても記録には残らないケースがほとんどなので、確認するだけしてみる価値はあります。

まとめ

  • 「破損・汚損」特約は、子どものいたずらや模様替え中の事故など、突発的な原因で家電が壊れたときに使える可能性がある
  • 経年劣化・通常使用による故障・地震は対象外。免責金額(自己負担額)の設定にも注意
  • 請求権は3年で時効。壊れた直後の写真を残しておくと、後からでも請求しやすい
  • 保険が使えるかどうかと、直すか買い替えるかは別の判断。製造終了からの年数・修理費用と免責金額のバランスを見て決める
  • まずは保険証券かマイページで、自分の契約に特約が付いているか確認するところから

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