「梅雨で部屋がジメジメする」「洗濯物が乾かない」——そんなとき、エアコンの除湿よりも頼りになるのが除湿機です。ただ、いざ買おうとすると「コンプレッサー式」「デシカント式」「ハイブリッド式」と種類があって、どれを選べばいいか分かりにくいですよね。
筆者(現役の電気工事士・でんきや慎ちゃん)は、コロナのコンプレッサー式とパナソニックのデシカント式を両方、長年使い分けてきました。その実体験をもとに、電気代・季節での使い分け・洗濯物の乾燥まで、専門用語をできるだけ避けて正直に解説します。
エアコンの除湿(ドライ)との違いを先に知りたい方は、エアコンの冷房と除湿はどっちが電気代が安い?正しい使い分けもあわせてどうぞ。
- コンプレッサー式=電気代が安く、梅雨・夏に強い。タンクも大きめ。音はやや大きい。迷ったらこれ。
- デシカント式=静かで、冬でも除湿力が落ちない。ただし電気代が高く、ヒーターを使うので夏は暑い。
- ハイブリッド式=両方のいいとこ取りで一年中快適。ただし本体が大きく高価。
- 洗濯物を乾かすだけなら、除湿機は浴室乾燥機の約10分の1の電気代。部屋干しメインの人ほど除湿機が効く。
筆者の実体験:両方を10年以上使い分けてきた
筆者は除湿機を1台ではなく、方式の違う2台を季節で使い分けてきました。
- コロナのコンプレッサー式:電気代が安く、タンクも大きいので、梅雨〜夏を中心に1年の大半はこれがメイン。今でも現役で動いています。
- パナソニックのデシカント式:冬の寒い時期に活躍しましたが、10年ほど使ったところでヒーター異常で壊れてしまいました。電気代の高さとヒーター故障の経験から、筆者は今後デシカント式を買い直す予定はなく、コンプレッサー式をメインにしています。
ただ、コンプレッサー式は室温が低いと除湿量が落ちます。そこで冬などに効きが悪くなったときだけ、浴室乾燥機で部屋を温めて補助しています(電気代が高いので、使うのは長くても1時間程度に抑えています)。
この「方式で得意な季節が違う」という体感こそ、除湿機選びでいちばん大事なポイントです。
3つの方式の違いを表で整理
除湿機の方式は、水分の取り方が根本的に違います。
| 方式 | 仕組み | 電気代 | 得意な季節 | 音・特徴 |
|---|---|---|---|---|
| コンプレッサー式 | 空気を冷やして結露させ水にする | 安い(1時間 約4〜12円) | 梅雨・夏(気温が高いほど除湿力UP) | 音はやや大きい/冬は除湿力が落ちる |
| デシカント式 | 乾燥剤に吸わせ、ヒーターで水にする | 高い(コンプレッサー式より月1,000円以上高いことも) | 秋・冬(寒くても除湿力が落ちない) | 静か/ヒーターで室温が上がる=夏は暑い |
| ハイブリッド式 | 上の2つを自動で切り替える | 中〜高 | 一年中 | 本体が大きく高価 |
ポイントは、コンプレッサー式は「夏に強くて省エネ」、デシカント式は「冬に強いが電気代が高い」ということ。筆者が夏はコロナ(コンプレッサー)、冬はパナソニック(デシカント)を使い分けていたのは、まさにこの特性どおりの使い方でした。
季節での使い分け:迷ったらコンプレッサー式
どれを買うか迷ったら、次の基準で選べば失敗しません。
- 梅雨・夏の湿気、部屋干しがメイン → コンプレッサー式。電気代が安く、気温が高い時期に除湿力が出るので、一年でいちばん除湿したい梅雨〜夏にぴったり。タンクが大きい機種が多く、こまめな排水も少なく済みます。
- 冬の結露対策、寒い地域、静かさ重視 → デシカント式。寒い時期でも除湿力が落ちず、動作音も静か。寝室や脱衣所の結露・カビ対策に向いています。
- 一年中1台でまかないたい・買い替えの手間を避けたい → ハイブリッド式。価格は高めですが、季節を問わず安定して除湿できます。筆者のように2台使い分けるのが面倒な人には、結局これが正解になることも多いです。
賢い買い方:いちばん安いのは「梅雨明けの型落ち・在庫処分」
除湿機は、買うタイミングで値段が大きく変わる家電です。電気屋として正直に言うと、梅雨〜夏のピークに買うのは一番損。需要が集中して値段は高く、人気機種は品薄になります。
狙い目は梅雨明け以降。シーズンが一段落すると、各メーカーがモデルチェンジに向けて在庫処分・型落ちセールを始め、性能はほぼ同じなのに価格がぐっと下がります。スマホやエアコンと同じで、新型が出る直前の型落ちが一番おトクなのです。
そのため、「今年の梅雨はもう間に合わないけど来年こそ」という人は、梅雨が明けて値下がりしたタイミングで来年用に買っておくのが賢い選び方です。1年待つだけで同等品が数千円安く手に入ることも珍しくありません。
洗濯物・部屋干しに使うなら:除湿機は浴室乾燥機の約10分の1
「部屋を冷やしたくない、洗濯物を乾かしたいだけ」という人にこそ、除湿機は効きます。エアコンの冷房・除湿だと部屋が寒くなりますが、除湿機なら湿気だけを取って、部屋干しの洗濯物をしっかり乾かせます。
ここで多くの人が見落とすのが、浴室乾燥機との電気代の差です。
- 浴室乾燥機:1時間あたり約30〜50円(1回3時間で約116円)。便利ですが、毎日使うと年間3〜5万円にもなります。
- 衣類乾燥除湿機:1時間あたり約4〜12円。なんと浴室乾燥機のおよそ10分の1です。
コンプレッサー式は室温が低いと除湿量が落ちます。筆者はそういうとき、浴室乾燥機で部屋を少し温めてコンプレッサー式が効きやすい状態にするという使い方をしています。ただし浴室乾燥機は電気代が除湿機の約10倍と高いので、使うのは長くても1時間程度。常用は禁物です。「便利だから」と浴室乾燥機を回しっぱなしにすると、電気代でじわじわ損をします。あくまで除湿機の補助として、短時間だけ使うのがコツです。
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買う前に知っておきたい注意点
- コンプレッサー式は冬に弱い:気温が低いと除湿力が落ちます。寒い脱衣所や真冬メインならデシカント式かハイブリッド式を。
- デシカント式は室温が上がる&電気代が高い:ヒーターを使うため、夏に使うと部屋が暑くなります。電気代もコンプレッサー式より高めです。
- ヒーター部分は消耗する:筆者のデシカント式は10年ほどでヒーター異常で停止しました。ヒーターを使う方式は、長く使うと故障要因になり得ると知っておくと安心です。
- タンク容量と排水:除湿量が多いほど水が溜まります。こまめな排水が面倒なら、タンクが大きい機種か、連続排水(ホースで排水)対応を選ぶと楽です。
よくある質問(FAQ)
Q. 結局どれを買えばいいですか?
A. 部屋干し・梅雨夏メインならコンプレッサー式、冬の結露・寒冷地ならデシカント式、1台で通年ならハイブリッド式です。多くの家庭は、まずコンプレッサー式で十分満足できます。
Q. エアコンの除湿があれば、除湿機はいらない?
A. 用途が違います。部屋を涼しくしたいならエアコン、部屋を冷やさず湿気だけ取りたい・洗濯物を乾かしたいなら除湿機が向いています(→エアコンの冷房と除湿はどっち)。
Q. 除湿機をつけっぱなしにしても大丈夫?
A. コンプレッサー式なら電気代も安く、満水で自動停止する機種が多いので問題ありません。ただし夏のデシカント式は室温が上がるので、つけっぱなしには不向きです。
まとめ
- 除湿機はコンプレッサー式(夏・省エネ)/デシカント式(冬・静かだが高い)/ハイブリッド式(通年・高価)の3方式。
- 迷ったら、電気代が安く梅雨夏に強いコンプレッサー式が無難。
- 冬の結露や寒い地域ならデシカント式だが、ヒーターを使うぶん電気代が高く、故障要因にもなりやすい(筆者は10年でヒーター異常)。
- 洗濯物を乾かすなら、除湿機は浴室乾燥機の約10分の1の電気代。部屋干し派ほど除湿機が効く。
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