お盆で家を空ける前に、防犯対策を見直しませんか|スマートロック・センサーライトを電気工事士が比較

家電レビュー

お盆になると、実家への帰省や旅行で数日間家を空けるという方も多いのではないでしょうか。筆者(現役の電気工事士・でんきや慎ちゃん)も毎年この時期は鹿児島の実家に数日滞在するため、出発前に必ず玄関まわりと照明の設定を見直しています。政府広報オンラインが2025年11月に公開した記事では、空き巣などの侵入犯罪の手口が近年巧妙化・凶悪化しており、住まいの防犯対策を強化する必要があると呼びかけられています。今回は、その公式情報をもとに「実際にどこから侵入されているのか」を整理したうえで、工事なしで今日から導入できる照明の工夫と、後付けできるスマートロック・センサーライトの選び方を、電気工事士の目線で解説します。

侵入犯罪の「今」を、公式データで確認しておく

対策を考える前に、実際どこからどうやって侵入されているのかを知っておくと、対策の優先順位がはっきりします。政府広報オンラインが警察庁「住まいる防犯110番」のデータをもとに公開している令和6年(2024年)の統計によると、一戸建て住宅・共同住宅のいずれの形態でも、「窓」と「表出入口」からの侵入が全体の7割以上を占めています。さらに侵入手口の内訳を見ると、一戸建て住宅では1位が「無締り(鍵の掛け忘れ)」で5,950件、2位が「ガラス破り」で4,454件、3位が「ドア鍵破り」で328件でした。共同住宅(3階建て以下)でも1位は無締りで1,483件、4階建て以上の共同住宅になると合い鍵による侵入が2位に上がってきます。つまり、最も多い被害原因は特殊な工具を使った手口ではなく、単純な「鍵の掛け忘れ」だということです。「少しの間だから」とゴミ出しや洗濯物干しの際に鍵を掛けないままにする習慣がある方は、まずそこから見直す必要があります。

もう一つ覚えておきたいのが、建物部品の防犯性能に関する目安です。政府広報オンラインによると、建物に侵入する際「5分以内」に成功しなければ、約7割の侵入者は侵入をあきらめるとされています。これは、防犯性能の高い建物部品(CP部品)の認定基準にもなっている数字で、「侵入に時間がかかりそうだ」と思わせること自体が有効な防犯対策になるということです。参考までに、警視庁が2026年5月に公表した「東京の犯罪(令和7年版)」では、都内の侵入窃盗のうち最も多い手口は「空き巣(住人不在時の侵入)」で30.4%を占めるというデータもあり、東京都に限った数字ではあるものの、留守中の住宅が引き続き狙われやすい対象であることがうかがえます。

お盆で家を空ける前に、まずやるべきこと

政府広報オンラインが紹介している警察庁の「自主防犯行動」のうち、旅行など長期不在時に関する項目は次のとおりです。

  • 施錠の徹底:玄関だけでなく、無人の部屋の窓も含めてすべて施錠する。
  • 近所への声かけ:旅行など長期不在にするときは、隣近所へ声を掛け合っておく。
  • 郵便物・新聞の配達停止:郵便物や新聞などの配達を止める、または一時的に止めてもらう対応を取る。
  • 下見への対策:侵入者は事前に地域や家の下見を行うことが多いとされ、人通りの少なさや近所付き合いの有無なども下見の対象になるとされています。日頃からの近所付き合いが、結果として防犯につながります。

お盆のように「何日も家を空けることが周囲から分かりやすい」時期は、こうした基本の対策を怠らないことが第一歩になります。ここから先は、電気工事士としてよく質問を受ける「電気を使った工夫」を具体的に紹介します。

工事不要で今日から導入できる「留守を悟らせない」電気の工夫

政府広報オンラインでは、防犯対策として「設置した防犯設備機器を有効に役立てること」が挙げられています。ここで電気工事士の視点から特に勧めたいのが、照明を使って在宅を装う方法です。

  • 照明タイマー・スマートプラグ:夕方から夜間にかけて、リビングの照明が決まった時間に自動で点灯・消灯するよう設定します。コンセントに挿すだけのタイマー式や、スマホアプリで時間を設定できるスマートプラグであれば、電気工事は一切不要です。「毎日同じ時間にきっちり点く」より、日によって時間帯を少しずらせる機種の方が、在宅を装う効果は高くなります。
  • スマート電球・スマートリモコン:照明そのものをスマート電球に交換するか、既存の照明にスマートリモコンを後付けすれば、外出先からスマホで点灯・消灯を操作できます。旅行先で「そろそろ暗くなってきたな」というタイミングに合わせて手動で点けるのも、留守を悟らせない工夫として有効です。
  • センサーライト:玄関先や勝手口など、人が近づくと自動で点灯するセンサーライトを設置しておくと、下見をする侵入者に対して「見られている」という印象を与えられます。政府広報オンラインでも、センサーライトや防犯カメラを外部から見える位置に設置し、侵入しにくい家であることをアピールする方法が紹介されています。

いずれもコンセントに挿す、電球を交換するといった作業だけで済み、資格や工具は不要です。旅行前日にホームセンターや家電量販店で購入して、その日のうちに設置できる手軽さがあります。

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後付けできるスマートロック・センサーライトの選び方

照明の工夫に加えて検討したいのが、玄関そのものの防犯性を上げる方法です。ここは「工事が必要かどうか」で選び方が大きく分かれるため、電気工事士として線引きを整理しておきます。

  • 工事不要のスマートロック:既存のサムターン(室内側の鍵つまみ)に両面テープや専用アダプターで取り付けるタイプであれば、賃貸住宅でも工事なしで導入できます。スマホアプリやオートロック機能で「鍵の閉め忘れ」自体を防げるのが利点で、政府広報オンラインが最多の侵入原因として挙げている「無締り」対策として直接効果があります。導入前には、自宅のドアの厚み・サムターンの形状に対応しているかを必ず確認してください。
  • 電池式・後付けの防犯カメラ:屋外コンセントの増設工事をしなくても、電池式やソーラー充電式の防犯カメラであれば玄関先に設置できます。政府広報オンラインは、防犯カメラは「ダミーではなく実際に録画機能があるもの」を選び、死角ができないよう複数台設置するとより効果的だとしています。
  • 本格的な玄関ドア錠の交換・電気錠の新設:ドア錠そのものをピッキング耐性の高いディンプルキーに交換したり、電気錠(配線を伴うタイプ)を新設したりする場合は、ドアの構造や電源の確保が絡むため、鍵業者や電気工事店への依頼が必要な範囲になります。自己判断でドア本体に加工を加えるのは避けてください。

「工事不要で自分で取り付けられる範囲」と「業者に依頼する範囲」を混同しないことが大切です。特にスマートロックは製品によって電池の持ち・停電時の解錠方法(多くは非常用の物理鍵や手動施錠が併用できます)が異なるため、購入前に取扱説明書やメーカーサイトで対応状況を確認しておくと安心です。

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お盆の帰省・旅行前チェックリスト

タイミング やること 備考
数日前まで センサーライト・スマートロック・タイマー照明の準備と設置 工事不要タイプなら当日でも間に合う
出発前日 郵便局の不在届・新聞の配達停止を手配 ポストに物が溜まると留守が分かりやすくなる
出発当日 全ての窓・玄関の施錠を再確認、照明タイマーの動作テスト 無人の部屋の窓も忘れずに
出発前 隣近所へ一声かけておく 不審な様子があれば気づいてもらいやすくなる

よくある質問(FAQ)

Q. 賃貸住宅でもスマートロックやセンサーライトは設置できますか?

A. サムターンに取り付ける工事不要タイプのスマートロックや、電池式のセンサーライト・防犯カメラであれば、原則として賃貸でも設置できます。ただし壁への穴あけを伴う製品や、退去時に原状回復できない取り付け方法は避け、事前に管理会社・大家さんへ確認しておくと安心です。

Q. スマートロックは停電やWi-Fi障害のときに解錠できますか?

A. 製品によりますが、多くの後付けスマートロックは非常用の物理鍵や手動でのサムターン操作を併用できる設計になっています。Wi-Fi通信ができない状況でも、本体のボタン操作やスマホのBluetooth接続で解錠できる機種もあるため、購入前に停電時・通信障害時の対応方法をメーカーサイトで確認しておいてください。

Q. 防犯カメラはダミー(偽物)でも効果がありますか?

A. 政府広報オンラインでは、防犯カメラは「ダミーのものではなく、実際に録画機能があるもの」を選ぶよう案内されています。侵入者は下見の段階で機器の有無を確認しているとされ、ダミーだと見抜かれれば防犯効果は期待できません。予算が限られる場合も、まずは実際に作動する安価な機種を選ぶことをおすすめします。

まとめ

お盆に家を空ける前の防犯対策は、特別な工事や高額な機器がなくても、今日から始められることがほとんどです。政府広報オンラインの公式データでは、侵入犯罪の多くが「鍵の掛け忘れ」や「窓・表出入口」から発生しており、まずは施錠の徹底と、隣近所への声かけ、郵便物の配達停止といった基本の行動が効果的だとされています。そのうえで、照明タイマーやスマートプラグで在宅を装い、工事不要のセンサーライトやスマートロックを後付けすれば、電気工事士を呼ばなくても防犯性を一段引き上げられます。本格的な鍵の交換や電気錠の新設が必要な場合は、無理をせず専門業者に相談してください。

実家に帰省したときは、自宅だけでなく実家の防犯・家電の状態もあわせて見直すことをおすすめします。実家の古い家電に潜む火災リスクのサインの記事、実家のご両親のスマホ設定については実家の親のスマホ、危ない設定のままかもしれない記事もあわせてご覧ください。また、自宅のスマート家電をハッキングから守るネットワーク面の対策はWi-Fiルーターのセキュリティ設定の記事で解説しています。

※本記事は、政府広報オンライン「空き巣や強盗から命と財産を守る『住まいの防犯対策』」(2025年11月13日公開・取材協力:警察庁)、警視庁「東京の犯罪(令和7年版)」(2026年5月14日更新)をもとに、2026年8月執筆時点で確認した内容です。地域や住宅の状況によって最適な防犯対策は異なるため、詳しくは警察庁「住まいる防犯110番」や、お住まいの地域の警察署・防犯協会にご確認ください。

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