高校の授業料、実はもう無償化されています|2026年度から所得制限が撤廃された制度を電気屋が家計目線で解説

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「高校の授業料が無償化された」というニュースは見たことがあるけれど、自分の家がいくら対象になるのか、いつから変わったのか、正直よくわかっていない——そんな方は多いのではないでしょうか。筆者(でんきや慎ちゃん)も家電量販店の店頭で「うちは私立だから関係ないと思っていた」「無償化って言うから制服代までタダになると思っていた」という声を聞くことがあります。この記事では、文部科学省の公式情報をもとに、2025年度(令和7年度)と2026年度(令和8年度)で高等学校等就学支援金制度がどう変わったのか、公立・私立でいくら支給されるのか、そして「無償化」という言葉のイメージとの間にあるギャップを、家計目線で整理します。

※本記事は2026年7月執筆時点の公式情報をもとにしています。制度は今後も見直される可能性があるため、最新情報は必ず文部科学省・在学する学校・お住まいの都道府県の案内でご確認ください。

2026年度(令和8年度)から何が変わったのか

高等学校等就学支援金制度は、2026年3月31日に改正法が成立し、同年4月1日に施行されました。最も大きな変更点は「所得制限の完全撤廃」です。文部科学省の公式ページでは「令和8(2026)年4月から、高等学校等就学支援金制度が改正され、所得制限が撤廃され」たと明記されています(文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」より)。これにより、世帯年収にかかわらず、高校等に通う生徒がいる家庭は全て制度の対象になりました。文部科学省の試算では、この改正によって新たに支給対象になる、または支給額が増える生徒は約80万人規模にのぼるとされています。

2025年度(令和7年度)までは所得制限つきの経過措置だった

2026年度からいきなり制度が変わったわけではなく、2025年度は経過的な仕組みが取られていました。従来の就学支援金は世帯年収の目安が約910万円未満の家庭が対象で、私立高校の場合は年収目安約590万円未満の世帯で年39万6,000円が上限でした。2025年度はこれに加えて「高校生等臨時支援金」という2025年度限りの制度が設けられ、それまで対象外だった年収約910万円以上の世帯にも、公立相当額(当時の上限で年11万8,800円程度)が経過措置として支給されました。つまり2025年度は「所得制限つきの本制度」と「所得制限を超えた世帯向けの臨時的な上乗せ」の二本立てで、2026年度からの完全撤廃に向けた”つなぎ”の1年だったと理解しておくとわかりやすいはずです。

いくら支給されるのか|公立・私立の支給上限額

2026年度以降の支給上限額は、文部科学省のQ&Aページで学校種別ごとに月額で示されています。年額に直すと次のとおりです。

学校種別 支給上限額(月額) 年額換算
公立高校(全日制) 9,900円 約11万8,800円
公立高校(定時制) 2,700円 約3万2,400円
公立高校(通信制) 520円 約6,240円
国立高校 9,600円 約11万5,200円
私立高校(全日制・定時制) 最大3万8,100円 最大約45万7,200円
私立高校(通信制) 最大2万8,100円 最大約33万7,200円
高等専門学校(国公立) 1万9,550円 約23万4,600円
高等専門学校(私立) 最大3万8,100円 最大約45万7,200円

文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」より作成)。私立高校は所得制限なしで年45万7,200円を上限に支給されるため、多くの家庭で授業料が実質ゼロに近づく計算になりますが、支給額はあくまで「実際にかかる授業料が上限」です。授業料がこの上限より低い学校であれば、支給額もその実際の授業料に合わせて調整されます。

「無償化」の言葉のイメージと実際のギャップ

ここが最も誤解されやすいポイントです。この制度が対象にしているのはあくまで「授業料」だけで、入学金・施設費・教材費・制服代・通学定期代・修学旅行費・部活動費などは支援の対象外です。私立高校では特にこうした授業料以外の費用が年間数十万円規模になることも珍しくなく、「授業料が無償化されたから高校にかかるお金は心配ない」と考えてしまうと、実際の家計負担とのズレが生じます。「授業料は制度でカバーされる範囲がある」「それ以外の費用は従来どおり家計から出る」という2段階で理解しておくのが実態に近い受け止め方です。

自動的には振り込まれない|申請手続きが必要

もう一つ見落としやすいのが、この制度は所得制限が撤廃されたからといって自動的に適用されるわけではない、という点です。文部科学省のQ&Aでは「申請はオンラインで行うことができますが、手続きの方法や提出する書類、提出先、提出期日は学校や都道府県によって異なります」と案内されています。オンライン申請システム「e-Shien」を使う学校もあれば、書面で受給資格認定申請書とマイナンバーカードの写しなどを提出する学校もあり、提出期限も入学時の4月が目安とされつつ学校ごとに異なります。「所得制限がなくなったから何もしなくても支給される」という思い込みは禁物で、在学する学校から案内される申請手続きを、期限内に必ず行う必要があります。

都道府県独自の上乗せ支援もある

国の就学支援金とは別に、都道府県が独自に授業料軽減の上乗せ支援を行っている場合があります。文部科学省のQ&Aでも「都道府県ごとに国の高等学校等就学支援金制度に上乗せして都道府県独自の支援事業を実施している場合があり」と案内されており、私立高校の授業料が国の支給上限を超える場合でも、都道府県の制度によってさらに軽減されるケースがあります。この上乗せ支援の内容・所得要件・申請窓口は都道府県ごとに異なるため、「国の制度でいくら支給されるか」だけでなく、お住まいの都道府県教育委員会の案内も合わせて確認しておくと、実際の負担額をより正確に把握できます。

電気屋の本音|「浮いた分」をどう家計に組み込むか

この制度で授業料の負担が軽くなったとしても、それを「浮いたお金」としてなんとなく使ってしまうと、入学金や教材費、その先の大学進学費用といった別の教育費のかたまりに備えられなくなってしまいます。教育費は「いつ・いくらかかるか」が事前にある程度読める支出でもあるため、以前紹介した固定費から逆算するシンプルライフプラン表の作り方のように、進学のタイミングを時系列の表に組み込んでおくと、授業料支援で浮いた分を含めた教育費全体の見通しが立てやすくなります。あわせて、今の家計全体を1枚で把握したい場合は資産・家計を見える化する無料スプレッドシートの作り方も参考にしてください。本記事は公的制度の説明にとどまり、特定の金融商品の推奨や資産運用のアドバイスは行いません。

よくある疑問FAQ

Q. 私立高校なら授業料は必ず無料になりますか?

必ずしもそうとは限りません。就学支援金の上限は年45万7,200円で、実際の授業料がこれを超える私立高校の場合は差額が自己負担になります。ただし、都道府県独自の上乗せ支援によってさらに軽減される場合もあるため、通う予定の学校の授業料と、お住まいの都道府県の支援内容をあわせて確認するのがおすすめです。

Q. 申請しなくても自動的に支給されますか?

されません。所得制限が撤廃されたのは支給の「対象範囲」であって、申請手続きそのものが不要になったわけではないためです。在学する学校から案内される受給資格認定の申請を、指定された期限までに行う必要があります。

Q. 入学金や制服代もこの制度でカバーされますか?

カバーされません。この制度が対象とするのは授業料のみで、入学金・施設費・教材費・制服代・通学費・修学旅行費・部活動費などは引き続き家庭の負担です。

Q. 2025年度にすでに高校生等臨時支援金を受け取っていた場合、2026年度も自動的に継続しますか?

2025年度限りの臨時支援金は2026年度以降の恒久的な制度に統合されており、制度の枠組み自体が変わっています。継続して支援を受けるためにも、2026年度の案内に沿って改めて申請手続きを行う必要がないか、学校からの案内を確認してください。

Q. 通信制高校や高等専門学校も対象になりますか?

対象になります。文部科学省のQ&Aでは通信制高校(公立・私立)や高等専門学校についても学校種別ごとの支給上限額が示されており、全日制以外の課程も制度の対象に含まれています。金額は課程によって異なるため、記事内の一覧表もあわせて確認してください。

まとめ

2026年度(令和8年度)から、高等学校等就学支援金は所得制限が完全に撤廃され、公立は年11万8,800円、私立は所得制限なしで年45万7,200円を上限に支給される制度になりました。2025年度は経過措置として一部世帯に臨時的な上乗せが行われていた”つなぎ”の1年であり、2026年度からが恒久的な新制度という位置づけです。ただし「無償化」という言葉の通りに授業料以外の費用まで無料になるわけではないこと、所得制限がなくなっても申請手続きは別途必要であること、都道府県独自の上乗せ支援がある場合があることの3点は、実際に手続きをする前に押さえておきたいポイントです。制度は今後も見直される可能性があるため、最新の支給額や申請方法は、必ず文部科学省・在学する学校・都道府県教育委員会の案内で確認してください。

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